HTC VIVEは、2019年1月9日米ラスベガスで開催されるCES2019の基調講演にて、アイトラッキングが標準搭載された『VIVE Pro Eye』新ヘッドセット『VIVE COSMOS』を発表しました。
アイトラッキングが標準搭載となった『VIVE Pro Eye』
『VIVE Pro Eye』は、2018年に発売された『VIVE Pro』にアイトラッキングを標準搭載したVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)です。
『VIVE Pro Eye』はレンズの周囲に設置されたLEDセンサーにより、VR用の最新アイトラッキング技術をサポートし、両眼の動きのトラッキングや分析を可能とします。
HTC VIVE社は、アイトラッキングを利用することで、視点を利用したコントローラーとして使うことや、まばたきや視線の動きを加えた高度なアバターの表情表現、また企業向けには視線追跡によりより意味合いのあるデータ収集ができるとしています。
HTC VIVE社は正式に触れていませんが、アイトラッキング技術をハード側が備えることで、ソフトウェア側で対応すれば、『フォービエイデッド・レンダリング』に対応できる可能性があります。フォービエイデッド・レンダリングは、視線の先を高解像度でレンダリング、視線の周囲の解像度の品質を落とすことで、CPU/GPUの負荷を減らし、フレームレートの向上や、より解像度の高いビジュアル表現ができるようになる技術です。
『VIVE Pro Eye』のアイトラッキング機能は、ソフトウェア側での対応が必要です。CES2019の会場では『MLB ホームランダービー VR』がアイトラッキングに対応したソフトのデモとして展示される予定です。また日本ではバーチャルキャスト社による『VisrtualCast Enterprise版』が、既に「VIVE Pro Eye」に対応しているとのこと。『VisrtualCast Enterprise版』では、『VIVE Pro Eye』のアイトラッキングを生かし、アバターの視線やまばたきと自動的にリンクさせることができるようになっています。
空間トラッキングを備えた新ヘッドセット『VIVE COSMOS』
今回、新しく公開されたヘッドセット『VIVE COSMOS』は、外部のセンサーが不要な『インサイドアウト方式』のVRHMDです。
今回の発表では多くが公表されていませんが、ヘッドセットの正面だけでなく左右にもカメラが設置されており、これにより空間トラッキングを行うことや、ヘッドセット・コントローラー共に6DoFに対応しており、本体だけでも動かせる『スタンドアローン型』のVRHMDであることがわかっています。
また『VIVE COSMOS』は装着の容易さにもこだわっているようで、装着したままで本体だけを持ち上げて外すことができる、フリップアップデザインであることや、頭に設置するクッション部分には通気性・速乾性のある最新素材を利用しており、重心設計により実際の重さよりも軽い装着感であるとのことです。
『VIVE COSMOS』の詳細は、2019年の後半に発表されるとのことです。