空間トラッキングを備え、PC以外も接続できるVRHMD『VIVE Cosmos』の最新情報まとめ

日本時間2019年1月8日に発表された、HTC VIVEの新型VRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)『VIVE Cosmos』。2019年後半に詳細情報が発表されると告知されており、期待が高まっています。

現時点でわかっているVIVE Cosmosのスペック、特徴についてまとめました。

空間トラッキングを備えるVRHMD

出典:www.vive.com

VIVE Cosmosは、外部のセンサー類が不要なVRHMDです。プレスリリースでは『空間トラッキングを備えている』とのみ触れられていますが、その外見を見ると、正面に2つ、左右に2つカメラを備えており、Oculus Questのようにこれらのカメラで空間トラッキングを行うのではないかと推測されます。

HMD・コントローラー共に6Dof対応

公式サイトによれば、VIVE CosmosはHMD・コントローラー共に6Dofトラッキングに対応しているようです。

VIVE Cosmosのコントローラーは専用に新しく設計されたコントローラーで、その形状はOculus Touchに似ています。大きく異なるのが、独特の文様がLEDで光るようになっている部分で、これによりコントローラーをトラッキングする可能性が考えられます。ただ、現在はプロトタイプ版の可能性も高く、この辺りの仕様は変わる可能性があります。

ディスプレイは『リアルRGBディスプレイ』

公式サイトによると、VIVE Cosmosのディスプレイは、『史上最高のスクリーン』『リアルRGBディスプレイ』を備えており、これによりスクリーンドアエフェクトを最小限に抑えることができるとしています。

現在VRHMDに採用されている多くのディスプレイは、『3原色のうち2色の画素を交互に並べるRGBペンタイル方式』を採用しています。『リアルRGBディスプレイ』というのは、『RGBストライプ方式』を指している可能性があり、これによりスクリーンドアアフェクトを抑えることができる可能性があります。

RGBストライプ方式と、RGBペンタイル方式の違い

事実、PlayStationVRは『RGBストライプ方式』のディスプレイを採用しており、他のVRHMDと比べて解像度が低いものの(片目960×1080)、その解像度の差を感じないレベルのVR体験ができるようになっています。

PlayStationVRより高い解像度で、『RGBストライプ方式』を実現すれば、公式サイトの言う所の『史上最高のスクリーン』体験が実現できるというのも納得できます。

フリップアップディスプレイ、快適な装着性

出典:www.vive.com

VIVE Cosmosは、着脱が容易な王冠型の形状をしており、ヘッドセット後頭に重心をおき実際の重さより軽く感じられる設計、肌に触れるクッション部分は速乾性・通気性のある最新素材を採用しているなど、公式サイトではVIVE Cosmosの快適性をアピールしています。

また、ディスプレイ部分がフリップアップできるようになっており、VRの体験⇔現実の行き来が容易になるように設計されています。

こういった HMD形状の設計は、HTC VIVEがこれまでに送り出してきたVIVEやVIVE Proと大きく変わっている部分で、どちらかといえば、PlayStationVRやWindowsMRのヘッドセットのいいとこ取りをしたような設計となっています。

『VIVE Cosmos』は新しいプレミアムPC VRシステム、モバイルにも対応か

出典:www.vive.com

公式サイトでは、VIVE Cosmosは『新しいプレミアムPC VRシステム』と表現されており、PCと接続して利用することを想定しています。また、 VIVE やVIVE Proと同様に、『SteamVR』に対応することも明かされています。

一方で、公開されたティザームービーでは、短く情報の少ない動画のなかに、モバイルと接続できることを示唆しているかのように、スマートフォンのシルエットを表示しています。また、プレスリリースの中でも、『VIVE Cosmosは家と外出先の両方で使用できる柔軟性があり、ゲーミングPC以外からも接続することができます』と記述しています。

これらのことから、VIVE CosmosはPCだけでなく、スマートフォンとも接続できると考えて間違いがないでしょう。これにより、自宅ではPCと接続してハイエンドなVR体験をし、リビングや外ではスマートフォンと接続することで気軽にVR体験をすることができる、といった使い方もできるかもしれません。

また、PC VRにおいてネックになるのは、PCに求められる高いスペックと、そのスペックをもつPCを用意するためのコストです。

誰もが持っているスマートフォンとも接続できるのであれば、VIVE Cosmosの可能性は大きく広がるでしょう。

将来を見据えた設計『モジュラーカスタマイゼーション』

プレスリリースでは触れられていませんが、公式サイトではVIVE CosmosはVRの進化に合わせて拡張できる『モジュラーカスタマイゼーション』を備えているとしています。モジュラーの意味するところが、ハードウェア的なものなのかソフトウェア的なものなのかは現時点で不明ですが、成長著しいVRの分野において、将来を見据えた柔軟な設計がされていることは、消費者にとって安心できる材料です。

もしハードウェアに拡張性があるのならば、ディスプレイだけを高解像度のものに付け替える、コントローラーを高度なものに変えるなど、ハードウェアを買い換えるコストが抑えられることにもつながります。続報に期待したい部分ですね。

価格・発売日など、続報は2019年後半に

プレスリリースによれば、VIVE Cosmosの開発者キットは『2019年の早い時期』に提供される予定とのこと。

また、その他の詳細や価格などは『2019年後半』に公表予定としています。

HTC Viveカテゴリの最新記事