Nintendo Switch サポートは、VRモード(3D映像)に関する案内を更新しました。
VR技術が抱える対象年齢の壁
VRは新しい技術であるため、各社VR利用に関して推奨・対象年齢を定めています。例えば、Playstation VRであれば12歳以上、Oculus RiftやHTC Viveは13歳以上と、VRの利用に関して対象年齢を定めています。
VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)を販売する、どのメーカーも12歳〜13歳と定めている背景には、『脳内の立体視細胞の形成時期』『瞳孔間距離』の2つの観点が理由としてあげられます。
立体視細胞は、物を立体で捉える働きをする脳内の細胞で、子供の発育とともに6歳ごろまでに形成されるとされています。
瞳孔間距離は、左右の黒目の距離のことで、子供から大人になるについて頭の大きさが変わるため、瞳孔間距離も広がっていくことになります。瞳孔間距離の広がりは、10歳頃には発達が終わるとされています。
これらのことから、12歳〜13歳と定めていましたが、近年その制限を見直す動きが出てきています。一般社団法人ロケーションベースVR協会は、保護者の同意がある限り、7歳〜13歳のVRコンテンツの利用を認めているほか、顔に当てる形のVRビューワー『ハコスコ』は対象年齢が7歳以上となっています。
Nintendo SwitchのVRモードの対象年齢は7歳以上
こうした中、Nintendo SwitchのVRモードは、対象年齢を7歳以上と定めました。任天堂はサポートにおいて「小さなお子様の視覚の発達に与える3D映像の影響について、眼科学・視覚研究の専門家に監修いただいたうえで、VRモードの対象年齢を設定しています」としています。
おそらく、PSVRなどのように頭にかぶる形のVRHMDではないことから、ハコスコのように長期間の利用をしにくい設計になっていることが背景にあると思われます。また、ゲーム画面内にも、定期的に休憩を取るよう促す機能が用意されており、長期間のVRモード利用ができにくいように工夫がされているようです。