クアルコム『Snapdragon 855』を発表、5G対応&1秒間に7兆回の処理ができるAI。VR・ARにも対応

クアルコムは2018年12月5日ハイエンドスマホ向けチップ『Snapdragon 855』を発表しました。7nmを採用し性能が大幅に向上したほか、次世代の通信規格である5Gへの対応、VR・ARにも対応しています。

7nmを採用し性能が大幅に向上

出典:www.qualcomm.com

Snapdragon 855は7nmのプロセスルールを採用しています。一昨年に発表されたSnapdragon 835、昨年に発表されたSnapdragon 845は同じ10nmのプロセスルールであったため、それとは比べ物にならない性能向上を実現しています。

Snapdragon 855は、CPU性能は45%向上、GPU性能は20%向上しているほか、消費電力も大きく抑えられるようになっています。特にCPUの45%性能向上は、ハイエンド向けSnapdragonシリーズにおける、過去最大の性能向上となっています。

また、CPU・GPUは発熱により性能が落ちてしまいがちですが、クアルコムはSnapdragon 855では発熱による性能低下を抑えることができる機能を盛り込んでいるとしています。

トレンドでもあるAIの強化

Snapdragon 855は、基本的な性能向上に加えて、AI性能を大幅に強化しています。Snapdragon 845と比べて300%、つまり3倍もの性能向上をしており、処理性能は7TOPS(1秒間に7兆回の処理ができる)に達しています。これはライバル機であるKirin 980とくらべても2倍の性能で、またAppleのA12 Bionicの処理性能5TOPSと比べても1.5倍の性能です。

AIの性能を上げただけでなく、AIを活用したライブラリを組み込んだため、写真を撮った後にボケ処理できる機能の搭載や、4K HDR動画撮影をしながらリアルタイムでボケを作ると行ったことまでできるようになります。

次世代通信規格、5Gへの対応

Snapdragon 855は、下り最大2GbpsのLTEに対応しているほか、別途パーツと組み合わせることで5Gにも対応できるようになっています。

VR・ ARに対応

Snapdragon 855は、8K解像度のVRビデオ出力にも対応しており、いままでにない解像度の360度VR映像を楽しむことができるとしています。

そのほかクアルコムは、基本的なCPU、GPUの高さや、5Gへの対応をしていることで、遠く離れた友人とのVRマルチプレイゲームや、ARショッピングなどにも対応できるとしています。

画面での指紋センサーにも対応

Snapdragon 855は、精度が高くセキュリティ性能が高いと言われる、超音波式の画面内指紋認証をサポートします。これにより、現在画面のベゼルレス化が進むスマホのトレンドにおいて、背面などにまわりがちな指紋認証を、画面内指紋認証に置き換えることができます。

 

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