PlayStation5の最新情報まとめ&事前予想

2020年6月12日(日本時間)、Sony Interactive Entertainment LLC(ソニーインタラクティブエンターテイメント、SIE)は、オンラインイベント『PS5 – THE FUTURE OF GAMING SHOW』を開催、PS5(プレイステーション5)に向けて開発されているタイトル、PS5の本体デザインのお披露目が行われました。そのほか、光学ドライブを廃した『PlayStation5 Digital Edition』も発表されました。

この記事では最新情報をまとめていく他、これまでに明らかになっている情報を元に、いまだ不明な部分の予想を立てていきます。

PS5の本体デザイン

ライバルの‎Xbox Series Xが早くに本体デザインを明らかにした一方で、PS5はコントローラーのデザインを発表して以降、これまでPS5本体のデザインは公表されてきていませんでした。

本体のデザインは、先に公開されていたコントローラーと同じく、白と黒のツートンカラーで、後のメディアからのインタビューで、SIEの社長であるジム・ライアン氏は、「リビングルームに映えるようなデザインを意識した」ということを明かしています。白と黒のツートンカラーは、未来的であり、家具的であり、2020年代敵であることを目指す中で採用されたようです。

本体サイズが大きい&空気清浄機のような見た目な理由

デザインが公開されたことにより、光学ディスクのスロットサイズやUSBポートを元にして、ネット上ではその大きさが推測されています。少なくともその高さにおいては、これまでに発売されているPS4 Proどころか、シリーズで一番大きかったPS3の初期型よりも高いことが予測されています。

また、本体のデザインがルーターや空気清浄機、果ては襟や電車に似ているとまで話題になり、デザインが公開されて数時間で国内外で多くのミーム画像が作られています。

本体が大きく、空気清浄機的なデザインになっている理由は、間違いなくその性能が理由であると考えられます。PS5は、ゲーミング用のデスクトップPC級の性能を持つ上、高速SSDを搭載しており、SoC・SSD共にかなりの熱を持つため、それを考慮したデザインにする必要があります。さらに、PS5はPCとは異なりエンターテイメント機であるため、PCよりも故障しにくくする必要があります。

つまりPS5は熱設計において無駄なく最適な形にする必要性が高く、おそらくライバル機である‎Xbox Series Xと同様、下部から空気を取り込み上部に排気するような設計になっていると予想されます。デザイン性を抑えればPC的な箱型や筒形が考えられますが(実際‎Xbox Series Xも箱型)、そこからデザインを作っていくとなると、薄くした分ある程度の高さは必要で、かつエアフローを考慮したことにより空気清浄機的なデザインへとなっていたのではないか、と考えられます。

前面にはUSB-A&USB-C端子、背面端子はいまだ不明

本体は横置きにも対応している / sony.com

PS5の前面には、電源スイッチと思われるスイッチ、ディスクの取り出しスイッチ(Digital Editionにはない)、そしてUSB-AとUSB-Cの端子がひとつずつ備わっています。一方で、今回公開された動画、写真共に、本体の正面・上部、側面のみしか写っておらず、底面はいいとしても背面の様子がわからないようになっています。

PS5の前面端子

  • USB-C(USB3.1 or 3.2?)
  • USB-A(USB3.1 or 3.2?)

現時点の情報から推測してみると、すでに過去のインタビューよりPS5では8K対応に言及をしていたため、HDMI 2.1ポートの搭載は確実。また今回周辺機器としてPS CameraHDが公表されているため、AUXポートも引き続き掲載される可能性が高いでしょう(HDMI端子やUSB-Cになる可能性も)。

また内部SSDスロットと別に、外部SSDを接続することについても言及されていたことから、背面にもUSB3.1か3.2の端子(新型PS4やPS4Proですでに3.1を採用、ライバル‎Xbox Series Xは3.2を採用)が用意される可能性が考えられます。

PS5の背面端子(予想/2020年6月時点)

  • HDMI 2.1
  • USB-A(USB3.2)
  • AUXポート
  • ギガビットEthernetポート(新型PS4で1Gbpsに対応済、)
  • 光デジタル端子(PS3,PS4に続いて採用?)

PS5の性能

PS5は、PS4に引き続きAMDのSoCを搭載することがわかっています。CPUは、第3世代のRyzen『Zen2マイクロアーキテクチャ』がベースとなっており、最大クロック3.5GHzの8コアCPUとなっています。

GPUはRadeonシリーズの最新アーキテクチャの『RDNA 2』をベースに、最大クロック2.23GHz、10.28 TFLOPs相当のものを搭載しており、ハードウェアレイトレーシングにも対応しています。

この性能はライバル機である‎Xbox Series X(CPUは3.8GHz・8コア、GPUは12.16 TFLOPs)と比べると特にGPU性能において下がるものの、20万を超える最新のゲーミングPC並みの性能といえます。

メモリはGDDR6/256-bitの16GBとなっています。16GBで十分ですが速度においてライバル機と比べて控えめです。これは後述するSSDの特徴が影響していると言えるでしょう。

最大の特徴は高速SSD

PS5はGPUにおいてはライバル機に及ばないものの、別の部分に力を裂いています。それが最大の特徴である高速SSDです。近年のハードウェアにおいて大きな進化を遂げているものの一つがSSDで、年々高速化を遂げ、SSDの接続インターフェースの方がボトルネックとなっているほどです。

PS5では、接続インターフェースが最新のPCIe4に対応していることに加えて、SSDチップ側、SoC側双方に、専用コントローラーを備えることでさらに高速化をはかっており、1秒間で5.5GBのデータを取り出すことができる性能となっています。

通常、PCやゲーム機は、必要なデータをSSD/HDDからメモリに読み込み処理をします。ゲームプレイヤーからはロード画面で待たされる他、開発者は限られたメモリを使って効率よくデータを読み込むということをしなければなりません。

SSDを高速にすることは、ロードをなくす他、開発者にとってもゲームのビジュアルの質を高めることに大きく影響していると言えます。

このSSDの凄さを理解するには、先日発表された『Unreal Engine 5』のデモを見るのが一番わかりやすいでしょう。

もう一つの特徴『Tempest 3D Audio』

PS5のもう一つの特徴が、3Dオーディオ技術『Tempest 3D Audio』です。ソニーはTempest 3D Audioを実現するために、SoCに『Tempest 3D Audio Engine』と呼ばれる独自開発のCompute Unitを搭載しており、GPUをオーディオにフル活用できるようにしています。

Tempest 3D Audioは、オブジェクトベースオーディオと呼ばれる3Dオーディオ技術で、前後上下左右という6方向ではなく、リアルな空間上と同じように、XYZの距離を伴った座標で表現することができる技術です。この技術により、大量の雨音や、遠くから獣の近く気配、上空を飛ぶ飛行機などをその場にいるかのように体感することができます。

VR体験の向上が期待できる

実は規模は小さいものの、近い技術をPSVRに搭載しており、PS5に搭載されるものはその上位版とも言えます。『Tempest 3D Audio』は、通常のゲームプレイだけでなく、VRの没入感の向上が期待されます。

価格・発売日

本体価格はいまだ未発表

本体価格についてはいまだ未発表です。ただリーク情報や過去に発売されたPlayStationの価格などからも、ある程度価格帯が予想され始めています。

リークによれば、本体製造の価格が450ドル(約48,000円)とも言われています。一方で、過去のPlayStationの価格からも、マーケティングの上で収める価格帯というものも見えてきます。

過去のPlayStationの発売価格

これまでに発売されたPlayStationの発売時の価格は以下の通りです。

PlayStation39,800円(税抜)
PlayStation 239,800円(税抜)
PlayStation 349,980円(税抜)
PlayStation 439,800円(税抜)
PlayStation 4 Pro44,980円(税抜)
PSハードの日本における発売価格 / wikipedia

基本的に39,800円となっており、最も高いのが49,980円で発売したPS3です。しかし、その価格の高さはPS3を苦戦させた要因の一つでもありました。

興味深いのは、PS4 Proの価格です。それまでに販売してきたPSシリーズの価格と、最も高かったPS3の間である44,980円で販売を開始しています。PS4 Proを発売した際、廉価版の新型PS4をリリースしており、より高いグラフィックを求めるユーザーにはPS4 Proを、新しくPS4を買うユーザーを中心にPS4廉価版を販売する戦略は功を奏し、PS4の販売台数を大きく伸ばすことに貢献しました。

PS5リリース後も、PS4はしばらく併売していくため、ある意味この状況と近いと言えます。つまり、PS5をリリースする際、最低でも44,980円〜の価格になってくるのではないかと考えられます。

一方で、過去にPSシリーズが出た時と比べて、近年ゲームの市場価値が上がってきていることから、49,980円以上の価格で発売される可能性もあります。

今回『PlayStation5 Digital Edition』がリリースされたことからも、ディスクなしは4〜5万円代、ディスクありは5〜6万円代におさまってくる可能性が考えられます。

2020年6月18日追記:
Amazonフランスのプレオーダーページがリークし、499ユーロ/499ドルになるのではないかと予想されています。これはPS3の欧米の販売価格で、日本もPS3の発売価格帯と近くなる可能性があります。
詳しくは以下の記事をご参考ください。

発売日は2020年冬、クリスマス前?

PS5の発売日は、2020年冬となっています。世界的なウイルスの流行で発売の遅延もあるのではないかと囁かれることもありましたがソニーは否定しており、SIEの社長であるジム・ライアン氏は「クリスマスには手に入るだろう」とインタビューに答えています。

PS5独占を含む28タイトルものラインナップ

PS5にはPlayStation Studiosが誇る強力なIPが勢ぞろいする

ソニーはPS5に先立ち、スパイダーマンの開発元である『インソムニアック・ゲームズ』の買収や、既にワールドワイドスタジオの傘下であるゲリラゲームズ、ノーティードッグ、ジャパンスタジオといったスタジオの包括ブランドである『PlayStation Studios』を発表するなど、自社のIPブランドの強化を進めてきていました。

オンラインイベント『PS5 – THE FUTURE OF GAMING SHOW』では、『マーベル スパイダーマン: マイルズ・モラレス』『グランツーリスモ7』『Horizon Forbidden West』、そして久々の新作となる『Ratchet & Clank: Rift Apart』といった自社の誇るこれらのスタジオの新作が続々を発表されました。

その他、PS5にプリインストールされるタイトル『Astro’s Playroom』、人気シリーズ第1作のリメイクである『Demon’s Souls』も発表されており、PS5の船出を大きく後押ししています。

その他、サードパーティからは、カプコンが人気シリーズの最新作である『バイオハザード ヴィレッジ』、新規IPである『Pragmata』、人気ゲームクリエイター三上真司氏の新作『GhostWire: Tokyo』、累計1500万本を超える人気シリーズの最新作『ヒットマン3』、スクエアエニックスの新作『Project Athia(開発名)』など、強力なラインナップが発表された。

現在明らかになっているタイトル一覧

ファーストパーティタイトル

  • Astro’s Playroom (JAPANスタジオ)
  • Demon’s Souls (Bluepoint Games / JAPANスタジオ)
  • Destruction All Stars(Lucid Games / XDEV)
  • グランツーリスモ7 (ポリフォニー・デジタル)
  • Horizon Forbidden West (Guerrilla Games)
  • Marvel’s Spider-Man: Miles Morales (Insomniac Games)
  • Ratchet & Clank: Rift Apart (Insomniac Games)
  • Returnal (Housemarque / XDEV)
  • Sackboy A Big Adventure (Sumo Digital / XDEV)

サードパーティタイトル

  • Bugsnax (Young Horses)
  • DEATHLOOP (Bethesda)
  • Ghostwire™: Tokyo (Bethesda)
  • Godfall™ (Gearbox Publishing / Counterplay Games)
  • Goodbye Volcano High (KO-OP)
  • Grand Theft Auto V 、GTAオンライン (Rockstar Games)
  • ヒットマン3 (IO Interactive)
  • JETT : The Far Shore® (Superbrothers)
  • Kena: Bridge of the Spirits (Ember Lab)
  • Little Devil Inside (Neostream Interactive)
  • NBA 2K21 (2K, Visual Concepts)
  • Oddworld Soulstorm™ (Oddworld Inhabitants™)
  • プラグマタ (カプコン)
  • PROJECT ATHIA(プロジェクト アーシア)(仮題)(Square Enix / Luminous Productions)
  • バイオハザード ヴィレッジ (カプコン)
  • Solar Ash (Annapurna Interactive / Heart Machine)
  • Stray (Annapurna / Blue Twelve Studio)
  • Tribes of Midgard (Gearbox Publishing / Norsfell)
  • The Pathless (Annapurna Interactive / Giant Squid)

PS5のコントローラー『DualSense』

本体に先立って公開された『DualSense』

PS5の本体に先立ち公開されていたコントローラー『DualSense』。これまでのコントローラーと比べて、より丸みを帯びた形状、そして没入感を高めるために採用された『ハプティックフィードバック』『アダプティブトリガー』を搭載しており、ゲームのプレイフィールを高めてくれる他、VRにおいても没入感が高くなることが期待されます。

この他コントローラーについてはこちらの記事にまとめています。

PS5の周辺機器も公開

PS5とデザインを統一した、周辺機器も公開されました。

  • PULSE 3Dワイヤレスヘッドセット – 3Dオーディオ対応。デュアルノイズキャンセリングマイク搭載。
  • HDカメラ – 大切なゲームプレイとともにプレイヤーを高画質で配信するデュアル1080pカメラ採用。
  • メディアリモコン – 内蔵マイクを搭載し、映画やストリーミングサービスのより手軽な操作が可能。
  • DualSense充電スタンド – DualSenseワイヤレスコントローラーが2つ同時に充電可能。

その他、周辺機器について詳しくはこちらの記事をご参考ください。

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