新型iPad Proのベンチスコアが見つかる、『A12X Bionic』の性能はMacbookProと同等レベル

先日ニューヨークで開催されたイベントで発表された新型のiPad Pro。デザインや性能のアップデートで、クリエイターを中心に注目を集めています。

Geekbench Browserにて、2018年10月7日に発売される予定である新型iPad Proのベンチスコアが見つかりました。

CPUは13インチMacBook並の性能

Geekbench

A12X Bionicは、iPhoneXSなどに採用されたA12 Bionicを強化したチップで、CPUの数が6コアから8コアに増えました。今回発見されたスコアでは、マルチスコア性能で17995となっており、MacBook Pro13インチに匹敵する性能となっています。

2017年に発売されたiPadはA10X Fusionと、iPhoneで言うと2世代前のチップであるため、その性能差は倍となっています。2年前のiPad Proと比べれば4倍弱の性能で、ここ2年でかなりの性能アップを果たしていることが伺えます。

GPUはノートパソコンのiGPUでは太刀打ちできないレベルの性能

Metalベンチマーク(Macbook Pro 15インチは見つからず除外)

A12X BionicのGPUは、A12 Bionicの4コアから7コアに増え、その性能についてAppleはXbox One Sに匹敵するとまで言い切っていました。

A12X BionicのMetalベンチマークスコアは、42038となっており、Intel(R) Iris(TM) Plus Graphics 655を搭載したMacBook Pro 13インチのモデルと比べて1.7倍もの性能を叩き出しています。このスコアは、AMDのRadeonシリーズを搭載したMacBook Pro 、iMac並の性能となっています。

グラフィックボードを搭載したPC並であれば、Xbox One S並のグラフィック性能を持つといっても大げさではないと言えます。Appleが見せたゲームのデモでは、NBA選手の汗の滴る肌の質感や、それぞれが独立した動きをする観客など、モバイル端末のゲームとは思えない描写をしていました。

CPUとGPUと別に毎秒5兆の演算処理ができるニューラルエンジンを搭載

A12X Bionicのチップには、A12 Bionicと同様に、Neural Engine(ニューラルエンジン)を搭載してます。アップルは機械学習にかなり力を入れており、CPUとGPUをさしおいてチップの多くの部分をこのニューラルエンジンに割いています。それだけに、ニューラルエンジンは毎秒5兆の演算処理ができるというとんでもないスペックとなっています。

過去最大の性能アップ『A12 Bionic』設計に見るAppleが考えるモバイルの未来

カメラの処理や、ARKit2などで生かされているほか、ニューラルエンジンの演算性能はサードパーティにも開かれているということがポイントです。

PCではNvidiaのRTXシリーズに、機会学習専用のチップが搭載されていますが、10万円クラスのグラフィックボードであり、またサードパーティがここまで自由に使えるものではありません。機械学習を生かしたソフトウェアを開発したい企業が、iOSに集まり、今後ニューラルエンジンを生かした魅力的なアプリが続々と出てくる可能性があります。

A12X Bionicの魅力が引き出されるのはこれから。Macに採用される日も近い?

Appleは、A12X Bionicは世の中のノートパソコンの90%以上より高性能とうたっていましたが、自社製品であるMacbookですらも超える性能を持っているとんでもないチップとなっています。

また、ニューラルエンジンや画像処理のチップなどA12X Bionicにしかない性能もあり、今後でてくるソフトウェアによってその魅力はより増していくと思われます。

以前からARM(A12X Bionicのアーキテクチャ)ベースのMacが出るのではないかという噂は出ており、A12X Bionicや、その次のAシリーズのチップが、MacBookに採用される日も近いかもしれません。

iPad Pro発表時の記事:
新型iPad Pro発表。CPU8コア・GPU7コアのA12X Bionic搭載、AR機能もパワフルに動くモンスタータブレット

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