『Oculus Rift S』発表、インサイドアウトトラッキング対応&解像度を向上

2019年3月20日(現地時間)、米国で開催されているGDC2019にて、Oculus(Facebook)はPC向けVRヘッドマウントディスプレイ(HMD)『Oculus Rift S(オキュラスリフトエス)』を発表しました。
現在販売中の『Oculus Rift』の次世代機で、ディスプレイの解像度が向上したほか、本体だけでトラッキング可能なインサイドアウト・トラッキングに対応しています。

インサイドアウト・トラッキングに対応

出典:oculus.com

Oculus Rift Sの大きな特徴は、VRHMD本体に埋め込まれたカメラにより6Dof(XYZ軸の回転・移動)のトラッキングを実現できるインサイドアウト・トラッキングに対応したことです。これにより、これまでのRiftに必要だったトラッキング用カメラが不要になりました。

その仕組みは2019年春に発売予定の『Oculus Quest(オキュラススエスト)』と同様ですが、Oculus Questと大きく違うのはトラッキング用カメラの数です。Oculus Questは4つのカメラがついていましたが、Oculus Rift Sには前方・左右・そして本体上部と5つのカメラがついており、これによりより広いエリアでコントローラーをトラッキングすることができるようになっています。

ディスプレイの解像度が向上、レンズなど光学周りも再設計

出典:oculus.com

Oculus Rift Sは、ディスプレイ周りを大幅にアップデートしています。ディスプレイの解像度はこれまでのOculus Riftの片目あたり1,080×1,200pxから、片目あたり1,280×1,440pxに向上し、レンズをはじめとした光学まわりも再設計されています。Oculusはこれにより、色がより明るく鮮やかで、「スクリーンドア効果」が軽減された、よりシャープなディスプレイを実現したとしています。

快適性の向上、スピーカー内臓、ケーブルの単一化

Oculus Rift SのデザインにおいてはLenovoと提携をしています。PSVRのような、ダイヤル式のヘッドバンドを採用し、これにより快適性を向上しています。Lenovoといえば、2018年10月31日にPSVRを開発するSIEと『PSVRの工業デザイン(意匠)に関するライセンス契約』を交わしています。今回のヘッドバンドのデザインにおいてLenovoと提携したのは、このライセンスによる影響もあるでしょう。

詳細記事:
SIEとレノボが、VRヘッドセットの工業デザイン(意匠)に関するライセンス契約を締結

また、Oculus Goと同様に、本体にスピーカーを内臓しました。本体側面にはイヤフォンジャックを用意しており、より没入したい場合は、任意のヘッドフォンを使うことができます。

そのほか、Oculus Rift SはVRHMDとPC感のケーブル類を1本にまとめるなど、使い勝手を大きく向上させています。

HMDをつけたまま現実の世界を見れる『Passthrough +』

Passthrough +は、Oculus Rift Sの前方カメラを使うことで、HMDをつけたまま現実の空間を確認することができる機能です。実際に目で見たときの状況とのズレを最小限に抑えており、Passthrough +を使うことで、現実空間を見ながらプレイエリアを定めたり、何か確認したいときにHMDを外すことなく確認することができます。

コントローラーはQuestと共通、さらに一部ソフトも共通に

出典:oculus.com

Oculus Rift Sに同梱されるコントローラーは、Oculus Questのものと同じものが採用されています。これにより、Oculus Rift SはOculus Questのコントローラーを、そのまた逆も同様に、コントローラーを使いまわすことも可能になります。

また、Oculus Rift Sは、Oculus Riftのコンテンツとの後方互換性があるほか、Oculus Questとクロスプレイ&クロスバイに対応しているとのことです。例えば、『対応するマルチプレイのゲームでは、Oculus Rift SとOculus Questのプレイヤーが一緒に遊ぶことができる』『Oculus Questで買ったゲームをOculus Questで無料ダウンロードできる』など、ユーザーにとっては非常に使いがってが良い状況になります。

発売は2019年春、価格は4万9800円

Oculus Rift Sは、2019年春に発売を予定しています。価格は49,800円と、現行のOculus Riftからほぼ据え置きとなっています。

Oculusカテゴリの最新記事