2019年2月5日、米VRメディア『UPLOAD VR』は、OculusのPC向けソフトウェア内に『Oculus Rift S』に関するコードを発見したと報じました。
『Oculus Rift S』とは
『Oculus Rift(オキュラスリフト)』は、Facebook社(Oculus)が開発、販売するPC向けVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)です。
2016年に発売され、今年で3年目を迎えますが、成長著しいVR業界においてこの3年間はおおきな時間の開きでした。2万円代で購入できる『Oculus Go(オキュラスゴー)』でさえ持つ高い解像度や、2019年に発売を控えている『Oculus Quest(オキュラスクエスト)』のもつインサイドアウトのトラッキング方式など、より高いハード性能が実装されていく中で、ハイエンド向けであるPCVRのHMDとして時代に合わなくなってきていました。
Oculus Rift Sは、そのOculus Riftの弱点を補う、いわばアップデート版と噂されています。
インサイドアウトトラッキングを搭載か
Oculus Rift Sは、Oculus Go以上の解像度(両目2560×1440 RGB)と、Oculus Questと同様に、外部センサーが不要なインサイドアウトのトラッキング方式を採用すると噂されていました。
今回発見されたコードにはユーザーが室内照明の周波数を設定する項目があり、これはHMDについたカメラによって空間を認識するインサイドアウトが実装されるということではないかとされています。
そのほかにもソフトウェア側で瞳孔間距離(IPD)を調整する機能が確認されています。現在販売中のRiftはIPDを調整するつまみがついており、ハードウェア側で調整できるようになっていましたが、ソフトウェア側で解決できるようになったということなのかもしれません。
Facebookは次世代HMD『Half Dome』も開発中
Facebook社は、視線追跡や可変焦点、広視野角を採用した次世代HMD『Half Dome』も開発しています。
視線追跡や可変焦点といった機能は、VRに大きな進化をもたらす一方で、開発コストや、より高いハードウェアの性能など、高性能な分課題があることも予想され、商品化に向けて時間がかかる可能性があります。
そのため、Oculus Rift Sは、次世代HMDリリースまでのいわばつなぎの役目を担う、ものになるかもしれません。