2019年1月7日、NVIDIAはCES2019の基調講演でレイトレーシング対応のグラフィックボード『GeForce RTX 2060』を発表しました。
349ドルながらGTX1070Ti級の実力
『GeForce RTX 2060』は、『GeForce GTX 1060』の後継モデルで、2018年に発表された『GeForce RTX 2080Ti』『GeForce RTX 2080』『GeForce RTX 2070』と同様に2016年から採用されてきた『Pascal』アーキテクチャから1世代進んだ『Turing』アーキテクチャを採用しています。
RTX 2060はミドルレンジモデルに位置付けられており、上位モデルであるRTX 2080やRTX2070などと比べてかなり安い349ドル(約38,000円)となっています。ミドルレンジモデルと言っても、アーキテクチャの進化によりGTX 1060と比べて1.5倍近い性能を誇っており、NVIDIAの発表によると、RTX 2060は『GeForce GTX 1070Ti』以上の性能を有しているとしています。
WQXGA (2560×1600)解像度でレイトレーシング対応
RTX 2060のCUDAコア数は、GTX 1070と同数の1920基で、ベースクロックは1,365MHz(ブーストクロックは1,680MHz)、メモリはGDDR6 SDRAMの6GBとなっています。
『Turing』アーキテクチャの特徴でもあるレイトレーシングを行うためのコア『RT Core』は30基搭載しており、5GRays/s(1秒間に処理できるレイ数)を実現しています。また機械学習を得意とする『Tensor Core』は240基搭載しており、DLSS(Deep Learning Super Sampling)にも対応しています。『GeForce GTX 1070Ti』以上の性能を発揮するというのは、DLSSを利用することでレンダリング速度を飛躍させることができることを理由にしていると思われます。これにより、WQXGA (2560×1600ドット)解像度で60fpsのレイトレーシング対応に対応しています。
VR統一規格のUSB-C端子『VirtualLink』も搭載
RTX 2060は、他のRTXシリーズと同様、VRヘッドマウントディスプレイとの接続ケーブルを1本にまとめることができる新しい統一規格『VirtualLink』にも対応しています。
『VirtualLink』は、DisplayPort 1.4に対応した、より高解像度のVR映像の出力、最大10Gpbsのデータ通信、最大27Wの電源供給を、USB-C端子のケーブル1本で実現することができる新しい統一規格で、NVIDIAをはじめ、Facebook(Oculus)、Valve、AMD、MicrosoftなどVRに関わる主要企業が参加しています。
当然ながらRTX 2060はVR Readyのグラフィックボードで、今後主流になる規格にも対応できるため、PCでVR環境を構築したい人でも安心できる性能のハードとなっています。
米国では349ドルで1月15日より発売
米国での価格は349ドルで2019年1月15日より出荷される予定です。現時点では、日本での発売はまだ発表されていません。
RTXシリーズは、一番安いRTX 2070でも500ドル(日本では54,000円〜80,000円で発売)していたため、RTX 2060はコストパフォーマンスの高いミドルクラスのモデルとしてかなり期待ができそうです。