2018年11月9日にリリースされた、PSVR専用タイトル『テトリス® エフェクト』。The Game Awardsをはじめ、多くの賞に輝いたゲーム『Rez Infinite』を手がけた、水口哲也氏が率いるエンハンスが開発し、2018年のThe Game Awardsにもノミネートされました。
『テトリス® エフェクト』実際にプレイした、プレイレビューをお届けします。
テトリス® エフェクトとは
『テトリス® エフェクト』というタイトルは、もともと学術用語である『テトリス効果（Tetris effect）』から来ています。『テトリス効果（Tetris effect）』は、テトリスを長時間プレイしたプレイヤーが、スーパーの棚や建物などを見ると、テトリスのゲームに当てはめてどのように組みわせるかを無意識に思考してしまったり、目を閉じるとテトリミノがおちるイメージが現れる、テトリスが夢に出てくるなど、『何かにのめり込んだ時に、思考、イメージ、夢が支配されること』をさした言葉です。
『テトリス® エフェクト』を開発したのは、The Game Awards 2016で、ベストVR/ARゲーム部門を受賞した『Rez Infinite』や、光と音のパズルゲーム『ルミネス』を開発した水口哲也氏が率いるエンハンスです。
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すでに国内外で高く評価
『テトリス® エフェクト』は、すでに国内外のゲームレビューサイトで高い評価を受けており、2018年のThe Game Awardsにも、ベストVR/AR部門でノミネートされました。
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テトリミノを落とす・ラインを消すたびに、ビジュアルと音が連動
『テトリス® エフェクト』は、『Rez Infinite』や、『ルミネス』のように、自身の操作と音、ビジュアルが緻密に連動するように作り込まれています。
最初にプレイしたいのが、ジャーニーモード。ジャーニーの名前が示すように、あらゆる背景や音楽、エフェクトの異なる27ステージを、旅をするように進めていくモードです。
最初のステージは、光の届かない静寂に包まれた深海から始まります。真っ暗な中を青く光るテトリミノが静かに落ちていき、回転させるたび、落下させるたびに深海のステージにあったSEが流れます。また、ラインを揃えると、心地よいエフェクトとSEが流れ、ラインを消していくたびに、クジラのような光がステージにあわられたり、徐々にステージに音楽が生まれていったりと、ステージに変化が起きていきます。
ステージの変化が最高潮に達すると、テトリミノはそのままに、次のステージへとワープしていきます。次のステージではまた静寂が訪れ、ラインを消すたびに盛り上がっていき、またステージをワープと、静と動を繰り返していきます。
例えようのない気持ちよさ。究極のテトリス体験
静寂から音が生まれ、音楽へと変化していき、また暗闇が広がっていたステージに印象的な光のエフェクトが溢れていく様は、ただ美しい、ただ音楽に乗る、といった印象以上の気持ち良さがあります。
大切なのは、自らの操作によって音楽を作っている、エフェクトを動かしているような印象を受けることです。テトリミノの回転や移動に伴いSEが鳴るため、テトリミノをリズミカルに動かしてみたり、溜めておいたテトリミノを一気に消していくなど、ステージを盛り上げるために、あらゆることをしたくなります。また、テトリミノを1つだけキープしておける『ホールド』機能や、時間がゆっくり流れる『ゾーン』といった機能があります。特に『ゾーン』は、ステージが最高に盛り上がってきた時に利用すると、まるで自分がプロのスポーツ選手のように『ゾーン』に入った気持ちにさせてくれます。
また、盛り上がりっぱなしだと疲れてしまいそうですが、盛り上がりが最高潮に達すると、次のステージへワープし、また静寂から始まるようになっています。ステージが盛り上がっててきて、このままこの心地よい世界に浸っていたい、と思っているうちにワープするため、少し寂しさも感じますが、しかしそれこそ『ジャーニー（長い旅）』であり、まただからこそより印象的な体験となるのだと感じました。
テトリスをやったことがない、苦手な人でもおすすめ
『テトリス® エフェクト』は、テトリスに馴染みがある人には、究極のテトリス環境だと思います。一方で、テトリス自体馴染みがない、そもそも苦手、といった人もいると思います。
『テトリス® エフェクト』の本質は、テトリスであって、テトリスではありません。テトリスはあくまで触媒であり、テトリスによって起きる音や光の体験が、ゲームの肝となっています。例えば、『Rez Infinite』を楽しめた人なら、必ず満足できると思います。
また、失敗してもそこでゲームオーバーとならず、すぐにリスタートすることができるようになっており、誰でも楽しめるゲームバランスになっています。失敗を恐れずに楽しむことができ、世界に入り込むことができるので、テトリスに苦手意識がある人でも楽しむことができるのではないでしょうか。
