2018年11月25日よりクラウドファンディングで募集を始めているプロジェクト、VRアニメーション『狼と香辛料』。開始2時間で目標を達成し、今もなお支援を集め続けています。
狼と香辛料とは

『狼と香辛料』は、支倉凍砂氏が原作のライトノベルです。原作は20巻以上刊行されており、漫画家やアニメ化もされています。
中世ヨーロッパの世界観で展開される物語で、主人公・ヒロインのキャラクターが魅力的なことや、経済学の知識に基づいたストーリー展開や、恋愛小説の要素もあり、それらが情景が浮かぶ魅力的な文体で綴られており、ファンも多い作品です。
VRアニメーション『狼と香辛料』製作プロジェクトは、原作者である支倉凍砂氏が代表を務める同人サークル『SpicyTails』が立ち上げたプロジェクトで、原作のキャラクターデザインを担当した文倉十氏、アニメで主人公ロレンス役を演じた福山潤氏、同アニメでホロ役を演じた小清水亜美氏など、原作制作陣完全協力のもと、『狼と香辛料』のVRアニメーション化にチャレンジするプロジェクトとなっています。
開始2時間で目標達成、PSVR版&Oculus Quest版の開発も決定
VRアニメーション『狼と香辛料』製作プロジェクトは、2018年11月25日にクラウドファンディングサイト『CAMPFIRE』で800万円を目標にパトロンを募り、開始わずか2時間で目標を達成しました。その後も勢いは衰えず、開始から1日でPSVR版のストレッチゴールである1,500万円を達成、開始3日目にはOculus Quest版のストレッチゴールである2,000万円を達成しました。
目標額を大幅に上回る総額5,300万円の支援を集める
VRアニメーション『狼と香辛料』製作プロジェクトは、その後も海外のクラウドファンディングサイト『KICKSTARTER』での募集も開始し、こちらでも目標金額を大幅に上回る支援を集めています。
募集締め切りまで残り数日という2019年1月7日の時点で、すでに目標金額を大幅に上回る総額5,300万円の支援を集めることに成功しています。
集まった費用は主に開発費、また告知や宣伝にかかる費用、リターングッズ製造費用・クラウドファンディング手数料のほか、必要以上に集まった支援についてはコンテンツのクオリティアップに充当するとのことです。
VRアニメーション『狼と香辛料』の魅力
VRアニメーションは、3DCGを利用した没入型のアニメーションです。通常の3DCGアニメーションと大きく違うところは、 360度全方向にアニメーションが展開されることです。
アニメーションの巨人、ディズニーも映画『リメンバー・ミー(英題:Coco)』を基にした『Coco VR』や、VR短編映画『Cycles』を2018年に発表しており、実験的な試みも含めて注目が集まっているジャンルです。
VRアニメーションには、360度全方向にアニメーションが展開するだけでなく、6Dofトラッキングを生かして『移動ができるコンテンツ』や、『操作によって反応が起きたり、場合によってはストーリーが変わるインタラクティブなコンテンツ』があります。
VRアニメーション『狼と香辛料』製作プロジェクトでは、『移動ができるコンテンツ』や『インタラクティブ』を重視しており、アニメーションの中を歩き回ったり、キャラクターに後ろからハグしたりといったインタラクティブな体験ができるものを目指しているようです。
2次元のアニメーションとは違う、『その世界の中に入りことができる』『まるで本当に触れ合っているかのように感じられる』そんな魅力がVRアニメーションにはあり、VRアニメーション『狼と香辛料』製作プロジェクトはその魅力を最大限に生かすことを目指しています。原作のファンだけでなく、VRアニメーションに可能性や魅力を感じて支援している人も中にはいるのかもしれません。
VRアニメーションによって『アニメは2次元』という言葉が、古い言葉になる時代がくるかもしれません。
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