スウェーデンを拠点に活動する『Space Plunge』が開発した、『Art Plunge』Oculus Go版のプレイレビューです。
絵画の世界に飛び込むという体験
『Art Plunge』は、VRでアートを体験できるコンテンツです。2016年にKickstarterでファンディングを募ったものの、目標到達とならず、それでもめげずに開発を続けて、2018年1月26日にリリースされました。
『Art Plunge』を起動すると、美術館の廊下のシーンから始まります。
廊下には、以下の5つの名画が飾ってあります。
- ヨハネス・フェルメール『窓辺で手紙を読む女』
- レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』
- サンドロ・ボッティチェッリ『ヴィーナスの誕生』
- フィンセント・ファン・ゴッホ『星月夜』
- ミケランジェロ・ブオナローティ『アダムの創造』
『Art Plunge』の面白いところは、これらの名画をVR空間で鑑賞するだけでなく、その中に飛び込めるという仕掛けにあります。
美術館の廊下は、演出だけでなく飛び込む絵画を選ぶメニュー画面の役割をしており、飛び込みたい絵画の前に移動し、選択することでその絵画の世界に入ることができます。
絵のフレーム外まで3Dで再現
『Art Plunge』は、絵画の中の世界を表現するために、平面に描かれた絵画をもとに3Dモデルに再構築しています。描かれていない部分は、絵画のタッチに合わせて書き起こしており、絵画では見えなかったフレーム外まで描画しています。
そのため、単純に絵画の中に入るこむだけでなく、絵画の世界の中で360度見渡すことができ、また全方位から聞こえる音響効果もあいまって、高い没入感を感じます。
こうして絵画の中に入ることで、それぞれの絵画が描かれた時代・画家の背景や、絵に込められた意図はなんだったのか、あらゆる想像を掻き立てられます。
また、絵画の中に入り込むことでより近い位置で鑑賞することになり、緻密に描写された人や物に驚かされ、実際に絵画と照らし合わせることで、今まで気がつくことのなかった発見がたくさんあることに驚かされました。
絵画に近づいて鑑賞するということすら難しい中で、中に入り込むことができるということは、それだけでも大きな価値がある様に感じました。
高いクオリティだけでなく、遊び心も満載
絵画で見えなかった部分は、想像で補っている部分も多くないものの「実際にこうだったんだろうな」と思えるレベルの高いクオリティに仕上がっています。また、絵画によっては実在しない場所であることもあり、そういった部分は遊び心を盛り込んでいたります。
例えばモナリザの絵では、右を見渡すとダヴィンチの設計図にある飛行機のモデルが展示してあったり、ミケランジェロの『アダムの創造』では、まさかの場所が背景だったりと、製作者の想像力の豊かさ、遊び心に感服します。
純粋に絵画が描かれた背景を想像したり、その世界に没頭するだけでなく、製作者の遊び心が散りばめられているのは
価格は190円、Oculus Storeで配信中
『Art Plunge』は、『Oculus Go』または『 Gear VR』向けのコンテンツとして、Oculus Storeで配信されています。価格は190円と、かなり手を出しやすい価格となってます。
またiOS、Androidのアプリとしても配信されており、スマホ用VRヘッドセットを用意すればVRで体験することができます。(こちらは価格が220円〜240円となっています)
手軽に試しやすい価格でもありますし、興味があれば一度実際に体験してみることをお勧めします。